産後のヨガ

お産によって1つの大きな愛がパパとママの間に生まれます。この愛・・新しい命・・・産後のこの時期は、大きな人生の転換期です。たくさんの喜びの中、

子供を育てていくという責任感は、母親の心に大きくのしかかり、初産のママには新しくチェレンジすることが多く、中には産後鬱になる方もみえます。

この時期にカラダとココロのケアをしておくことは、20年後、30年後の自分自身の健康に大きな影響を与えていきます。笑顔で楽しく、ココロとカラダのケアをして私たちと一緒に子育てをして行きましょう。

 

当協会のプログラムは、12年間の産院クラスでの経験と、助産師、医師との勉強会を得て作成されています。

世界中の母子にたくさんの素敵な笑顔が訪れますように。

日本予防医学ボディケア協会

ブリスワークアウト代表

Nanakha Olatunji

産後ケアの必要性


現代医療によって多くの命が助けられ、母親とベビーの生存率は高水準に維持されています。中でも日本の新生児死亡率は1000例中1例あるかという程の世界最低レベルで、世界一安全に子供を出産できる国と言われています。また、産後鬱になる確率も他国に比べ日本は少ない水準になっています。これは入院期間が5日間以上という日本のシステムが大きい、さらに里帰り出産の影響が大きいと言われていますが、鬱とまではいかなくても情緒不安定になる母親はとても多く、心の不安やカラダの不調など、ケアされないまま、時を過ごす方が多くみえます。妊娠までの過程は人それぞれですが、結婚し子供を授かった、妊娠し結婚に踏み切った、不妊治療で念願の子供を授かった、幾度の流産を乗り越えての出産、病気によって妊娠が難しかった方の命がけの出産、予定外の妊娠で心の準備ができていない方、10代の若年齢出産、高齢出産、、病院クラスではいろんな方々の妊娠ケースと出会います。女性のココロとカラダは妊娠をきっかけに大きく変わります。これは人生の転換期でもあり、また今まで経験したことの無いホルモンの変化によっても影響されます。これらのことをよく理解した上で、ストレスフリーの子育てをしていくことは、ベビー達にとっても落ち着いた環境となり、安心感と信頼感が母子の間で深く生まれていきます。産後のケアをする時間は、やがてパートナーや子供を大切にしていくことにつながり、人生の中で何度も経験することないこの産後の時期を、人生の節目として考え、今までの生活習慣を振り返りましょう。

ホルモンバランスの変化


妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンというホルモンが増加しますが、分娩によってこれらのホルモン量は急激に低下し、乳汁の分泌を促進するホルモンであるプロラクチンも、出産直後に一旦減少しますが、その後、授乳によって急激に上昇することが知られており、これら産後の性ホルモンの変動がココロと関連していると考えられています。出産後、このホルモンバランスが大きく変化するため、不眠、食欲不振または過多、疲労、頭痛、鬱症状が出ることがあります。カラダの変化として、アレルギー体質になったり、風邪をひきやすくなったり、また逆に妊娠前に比べ体調が良くなる方など様々です。さらにパートナーとの関係や陰部の不快感など産後はいろんな問題に直面します。


経膣分娩と帝王切開


分娩の様子は全員違います。妊娠中の悪阻(つわり)1つを例にあげても全員同じ状態ではなく、悪阻が全く無い方もみえれば、ベビーを出産するまで悪阻が続く方もみえます。分娩の種類は大きく分けて自然分娩と言わてれている経膣分娩、また手術という形になりますが帝王切開があります。母親の骨盤が狭い(児頭骨盤不均等)などの理由から計画的に帝王切開になる方もみえれば、陣痛中、ベビーの回旋異常や呼吸の不安定さから母親のパニックにつながり緊急の帝王切開になる場合もあります。どちらにしろ母親が自分の命をかけた大きな人生の仕事になります。また近年では少なくなってきましたが、『帝王切開で子供を産むなんて』・・という周りの言葉や、自分自身で思い込んでしまう’’私は自然に子供が産めなかった”、”せっかくヨガや呼吸法を練習したのに帝王切開になってしまった”など、ネガティブに考えてしまうケースもありますが、一番に大切になのは『母子ともに健康である』ということです。また経膣分娩と帝王切開では産後のケアは少しずつ異なりますが、最も当協会が力を入れているのが母親のココロのケアと個人に合った産後のカラダケアです。

産褥期のココロとカラダ


産褥期とは妊娠・分娩によって変化した母体が再び避妊時の状態に戻るまでの期間(6−8週)のことを言います。この時期、急激なホルモン変化によって言わば一時的な更年期のような状態になります。この状態も人様々で全く問題なく楽しく生活を送ることができる方もみえれば、家から一歩も出ることができないほど衰弱し、体調不良が続き、ベビーのお世話が満足にできないことで、さらに自分を責めココロも不安定になってくる方も多くみられます。母子関係の土台となるこ時期に、しっかりこれらの問題を解決しておくことによって、笑顔で楽しく育児をすることができます。またパートナーや家族の理解と協力がとても大切です。

子宮復古と悪露


子宮復古は子宮の胎盤、卵膜剥離面に生じた多数の血管の段端面を圧迫して止血する役目をし、特に後陣痛によって促進されます。それによって子宮底の位置が移動し、胎盤娩出後は子宮底がお臍下から2−3横指の位置にあり、その後は骨盤底筋群の回復や膀胱の充満によって徐々に上昇し、その後は少ずつ下降を始め、7日目頃には恥骨結合上縁に移動します。要するに、妊娠によって膨らんだ子宮が通常時の子宮の大きさ(鶏卵大)に戻るまでを子宮復古と言い、産褥中に子宮腔内から排出される分泌物が悪露(おろ)です。この子宮復古は心身のリセット期間となるため、慎重かつ丁寧に、個人に合わせたトレーニングをすることが大切となります。


骨盤底筋肉がなぜ大切か・・


長年に渡り、私たちはこの骨盤底筋肉をどのようにリラックスをさせ、筋肉を養うかを試行錯誤してきました。当協会は新生児からシニア期までの方のクラスを行っていますが、この骨盤底筋肉は、筋肉の緊張と弛緩、姿勢、ココロのリラックスがとても重要となり、人生の時間軸が1つのラインとなってカラダに影響を与えていきます。経膣分娩であれば、この骨盤底筋肉は出産時に疲労を伴うため、しっかりケアすることが大切です。また帝王切開の場合でも、妊娠中のホルモン変化によって筋肉が緩みお産に向けてのカラダを作るため、骨盤を中心に全身の筋肉が柔らかくなる傾向にあること、そして子宮が大きくなり、それを底で支えているのが骨盤底筋肉となるため、どちらの分娩方法でもこの筋肉の強化は非常に大切となります。妊娠中から現われ出す尿漏れは産後にはピークとなり、その後は自然と回復してきます。しかし現代では姿勢や体型の変化によって、この骨盤底筋が非常に弱まっている方が多く、産後数ヶ月経っても、尿を我慢できない、また”子宮脱”という骨盤内にある子宮が膣から子宮が脱出してくるなど、深刻な問題が起こるケースも少なくありません。さらに尿漏れなどの症状は産後落ち着いていたのに、2〜3年後にふとしたきっかけで尿漏れが始まり、そこからひどくなるケースもあります。この時期のココロとカラダ運動を大切にすることは、数十年後の自分自身をケアすることにつながっていきます。

腹直筋離開と腹筋運動


産後の腹筋運動はお産で緩んだ骨盤を引き締めるために、とても重要です。また骨盤底筋肉は腹筋群の一番奥にある腹横筋とお互いに影響し合いながら働くため、腹筋を鍛えることで尿漏れなどの改善や予防にもつながります。しかし、運動を始める前に腹直筋離開のセルフチェックを必ず行うことが大切になります。産後運動しているのに関わらず、お腹のぽっこりがなかなか治らないというのも、腹直筋離開が原因であることも考えられます。この症状は妊娠中、分娩中に9割の方がなると言われています。これはホルモンの影響で、服直筋の真ん中を走っている”白線”という腱が緩んで腹直筋が2本に割れ、ベビーが大きくなるにつれこの離開は大きくなっていきます。自然なことなのですが、急激な体重増加はこの離開を後押しする傾向にあるので気をつける必要があります。また離開の症状によってはヘルニアを引き起こすことがありますので、産後の運動はしっかりとした知識を持って行ないましょう。

骨盤ベルトと姿勢


当協会では産後には骨盤ベルトの着用を勧めています。妊娠、出産で開いた骨盤を引き締めるための補助道具として非常に活用的です。また分娩後は急激に体重が約3〜8キロ程減るため、バランス感覚維持や腰痛予防にもこの骨盤ベルトは活躍します。しかし、骨盤ベルト着用の際は体調の確認や骨盤の位置、ベルトのつける位置などをしっかり確認してから行うことによってのみ、効果が得られます。帝王切開でのお産の場合はまた違う方法となります。ベルトは骨盤を引き締めるための補助道具となりますので、自分自身でしっかり骨盤まわりを引き締めるための筋肉運動は必須となります。まずは姿勢を綺麗にすることで、骨盤を支える筋肉を生活の中で自然に使えるようにすることが大切です。

パートナーとの関係


この時期のパートナーとの関係性も子供が生まれたことで大きく変化していきます。また第2子以降のご出産であれば、上の子供たちとの関係性も変化します。運動で身体を引き締め、ストレスを発散することは大切なことですが、それ以上に心の中を整頓することが大切になります。悩みがあることでココロがリアクションをし、カラダに影響を与えるため、ココロのエクササイズも非常に大切な産後のケアとなります。母親同士、育児や人間関係に対して、どのようにポジティブに解決していくかなど、この時期に勉強しておくことで、今後十数年の子育てに大変役立ちます。


骨盤臓器とチャクラ


ヨガでは大きく7つのチャクラ(エネルギーセンター)があると言われています。お産という大きな仕事はこれらチャクラにも大きな影響を与え、特に下部の2つのチャクラ、Muladhara Chakra (ムーラーダーラチャクラ)*一番下赤色とSwadisthana Chakura*下から2番目のオレンジ色(スワディシュターナチャクラ)は、妊娠期から出産、そして産後に至るまで深く関わります。これらのチャクラは日々変化していき、ココロとカラダの変化が現れるのはホルモンだけではなく、このチャクラも大きな影響を与えていることになります。

下から2番目のスワディシュターナーチャクラはお臍の奥にあると言われ、気功などでは丹田と表現されることもあります。このスワディシュターナチャクラは、セイクラル(仙骨)チャクラとも呼ばれ、子宮もまわりも含める位置にあります。想像力、情緒のバランス、人間関係や性エネルギーを持ち、妊娠期では非常にこのチャクラから母子共に影響を受けることになります。また水との関係も深いこのチャクラは、羊水そして体内の流れをコントロールするために、この時期にこのチャクラを整えることは非常に大切になります。また、一番下部にあたり、根を支えるという意味のムーラーダーラチャクラは、特に経膣分娩でのお産と産後に大きな影響を与えます。このチャクラは脊柱の基底にあり、肛門と生殖器の間にあると言われています。このチャクラは安定感と生命力の源となり、お産によってこのチャクラの活性化にもつながる一方、産後のケアでこのチャクラ一帯のバランスをとることも非常に大切となります。